こんな人に読んでほしい
フリーランスエンジニアとして独立を考えている方、リアルガチな年収や働き方を知りたい方
この記事を読むと?
フリーランスエンジニアになったらどうなるのか、年収・働き方・スキル・キャリアパスが分かる
フリーランスエンジニアになると自由な働き方で高収入と言われますが、本当にそうでしょうか?実際に取材させていただいた方のケースを元に、リアルガチな働き方・スキル・年収などを公開し、フリーランスエンジニアとして独立を考えている方の参考になれればと思います。
ケース1:SIerから4年目でフリーランスエンジニアになった人
この方、フリーランスエンジニアのエージェントにキャリア相談して常駐週5案件で月単価82万で成約、マージン差し引き&消費税分上乗せで78万がフリーランスとしての売上で年936万になりました。大きく年収アップというわけではないですが、状況は色々変化しています。
働き方の変化
案件にもよりますが、フリーランスエンジニアの超過稼働分は精算になり、だいたい精算幅140時間〜180時間でその範囲内であれば精算なし、180時間以上の場合は時給×超過時間で精算することになります。
したがって、炎上案件だったら60時間の超過分に時給5000円で、超過分30万精算になれば月収102万ですし、通常案件だったら160時間前後で特に精算せず残業なしの働き方になります。
常駐週5のフリーランスエンジニアですが、可処分時間が70時間増えています。
これがフリーランスの自由の働き方の一例ではあるかなと思います。
時間あたりの単価が少し上がったことで、単純に働く時間を減らしてコントール出来るメリットがあります。
スキル
Java/js/HTML/CSS一通りできる4年目のエンジニアでしたが、自社サービスのバックエンドエンジニアとしてジョインしながら、モダンフロントエンドもキャッチアップしていきました。
メインの業務は、iOS/Android/Web(SPA)のAPI開発ですが管理画面やちょっとしたフロントもやってみる感じで働かれていました。
フリーランスエンジニアになって1年後には、API設計はもちろんインフラと監視も徐々にキャッチアップし、Vueでのフロントエンド開発もこなれてきており、Webフルスタックといっても問題ないレベルになっていたと思います。
また、ReactにするかVueにするか好みは色々ありますが、会社に所属している場合に技術選択のチャンスは極めて確率の低い話ですが、フリーランスは豊富な案件から自分で選べるのでやりたい技術を選ぶことができるメリットがあります。
ある意味手段の目的化ですが、キャッチアップしたい技術を最速で学べる環境というのはフリーランスになる大きなメリットの1つです。
年収
月78万がフリーランスとしての売上で年936万と書きましたが、実際の手取り年収は正社員と違って経費と控除と税金があります。
実際のフリーランスITエンジニアの年収モデル
- 売上936万(月78万)
- 経費年200万(月16万)
- 税金年200万(月16万)
- 手取り46万
経費は月15万の内訳
- 家賃按分で専有面積の30%(月4.5万)
- スマホ、ネット、クラウド費(月2万)
- 開発用のライセンス類(月2万)
- 旅費交通費(月2万)
- 新聞図書費(月2万)
- 消耗品費(月0.5万)
- PC買い替え費用(月2万)
これだと手取り46万なら年収700万とさほど変わらないですが、PCを買い替えたりするなら実質的な手取りなので経費と正社員でも負担する部分が重なれば重なるほどお得になります。
また、さらに控除と節税を頑張ることで、税金年200万をさらに圧縮することが可能になります。
レベル1:青色申告(65万の特別控除)
レベル2:ふるさと納税・生命保険(年10万削減)
レベル3:住宅ローン減税の活用(年40万削減)
レベル4:個人事業主+合同会社の設立
社会保障
フリーランスを個人事業主でやると、社会保険→国民健康保険・国民年金になるので、妻や子供(扶養家族)がいると正社員のときより社会保険料が高くつくことがあります。
フリーランス独立の2択
・本業(=エンジニア集中)、税金を多く払うのを許容する場合は個人事業主
・少しでも手取りを増やし、経費でも有利な株式会社設立(合同会社)して、多少本業以外をやるか
個人的にオススメなのは、2つ事業を明確に分けて社会保険料を圧縮するスキームです。開発の業務委託契約は個人事業主で受けて、コンサルティング業務や別の事業を合同会社で受けて両方から青色申告の控除65万と給与所得控除を受けることができます。また、社会保険は強制加入なので、コンサルティング業務の方で社会保険に入っているので国民健康保険と国民年金の加入が不要になります。
独立後でも法人設立は問題ないので、エージェントから紹介された税理士さんなどに詳細を聞くとよいです。
今後のキャリアパス
フリーランスエンジニアになって直後にWebフルスタックエンジニアとなり、契約単価も月78万から+10~20万アップくらいは実現可能なので、年1056万〜1176万で月の手取りが70万あるとゆとりある生活が送れると思います。
ゆとりがあればOSSコミッターやったり、別の事業を立ち上げたり、個人開発したりと正社員では考えられなかった選択肢の幅の広がりを享受することができます。
ケース2:Webエンジニア5年目でフリーランスエンジニアになった人
めちゃくちゃ優良企業でフリーランスエンジニアになるなら年収大幅アップじゃないとやる意味ない人でしたが、フリーランスエンジニアになったケースを紹介します。
フリーランスエンジニア+技術顧問で年1320万、週4で月90万+技術顧問5万*4社のような働き方をされています。
働き方の変化
月の稼働は週4+顧問4社なので、独立前とさほど変わらず子育て状況とうまく調整しながら働かれていました。
顧問している会社はCTO不在だったり、テックリード不在な状況なので、プルリクのレビューや全体アーキテクチャのチェック、ジュニアエンジニアの1on1やCEOとの週1の定例でレンタルCTO的に仕事で、実質的な稼働は月数時間です。
スキルが高いと営業難易度が低いので自分で営業することで、エージェントを通さず直契約の案件を獲得できて高収入で自由な働き方が実現できます。yentaやCXOバンク、エンジニア採用頑張ってる会社に直接メール送ったり、社長のTwitterにDMするだけでも案件はかんたんに獲得できます。
スキル
テックリードなのでRuby on Railsのバックエンド開発5年でRESTもGraphQLも普通に出来て、フロントのReactはSPAでnode.jsでサーバーサイドレンダリング実装、スタイルももちろんピクセルパーフェクトで実装可能なスキルの方です。
転職先のポジションだと、CTO・VPoE・テックリードで年収1000万も可能というスキル感でしたが、特定プロダクトやビジョンに共感するタイプではなかったので、色んなプロジェクトをサポートするポジションが気にいってフリーランスという選択をされたそうです。
年収
フリーランスで月90万×12ヶ月=1080万
技術顧問で月5万×4社×12ヶ月=240万
技術顧問はずっと契約が続くわけでもなく、ならすと200万程度だったそうです。
この場合に、200万の方で役員報酬15万に設定して、経費いれると赤字なので法人住民税7万・社会保険料50万になります。フリーランス分は1080万で所得税・住民税が累進課税でかかってくるのですが、株式会社で社会保険料払っているので国民健康保険と国民年金は払う必要がありません。
収入
フリーランス:1080万(税込1188万)
技術顧問:200万
合計:1388万
経費
フリーランス:200万(家事按分等)
技術顧問:50万
合計:250万
税金
所得税:140万
住民税:88万
法人住民税:7万
社会保険料:50万
合計:285万
社会保険料を法人で払うことで、全体的に手取りが増えていますが、めんどくさいのめんどくさいのでフリーランス一本にするのもあり。ただ、1000万超えて3年目からは消費税の納付義務があるので収益分散するなりする必要があると普通によくある分散パターンですね。
今後のキャリアプラン
これだけ基本のスキルがあって、フリーランスで案件をたくさんこなすとだいたいなんでも出来る状態になっているので、次のキャリアプランとしては自由な時間を増やしたいか、新しいことにチャレンジするか、もっと高収入を狙うか、選択もぐっと増えます。
・沖縄に移住してフルリモ週3働いて月80万の年収1000万
・スタートアップのCTO、VPoEとして年収1000万+SOでIPOしたら億り人
・ゴリゴリフリーランスの売上UPで月200万くらいの売上維持
ケース3:iOSエンジニア2年目でフリーランスエンジニアになった人
未経験からiOSエンジニアになって、拾ってくれた企業でがむしゃらに働きまくって腕を磨かれた方です。まだ2年のキャリアでしたが長時間労働&土日も勉強していたので、合計すると1万時間弱iOSに没頭しているので、スキル的には即戦力といえるレベルだったのでフリーランスエンジニアをおすすめして、年収400万→900万で約2倍になりました。
働き方の変化
本人はまだ勉強中の気持ちなので、週5常駐160時間で月80万での契約になって稼働時間減ってるんですが、就業後も土日もまだコード書いているのであまり変わっていません。
ただし、いわゆる報酬が発生してコード書いている時間が減って、自由に新しいことを試したり、個人開発したりして質的な部分の変化がありました。
スキル
彼の場合は、フリーランスで色んなプロジェクトに参画できるようになったことで、スキルの幅や問題解決の質が高まっていると実感していました。
iOSエンジニアでしたが、当然Androidもやってるケースが多く、人手が足りてない時に手伝ったりして、iOSとAndroidの両刀使いとしてスキルを積んでいるところです。
年収
ITベンチャー勤務のときは年収400万だったのが、週5常駐月80万(税込88万)にUP
今後のキャリアプラン
徐々に個人開発の比率を増やして、自分のサービスで売上が立つようにしていくとのことだったので、キャリアプランでいうとスタートアップかスモールビジネスを自分で起業するという感じでした。
0からアプリを作ってリリースして、リソースがない中でグロースさせていく経験というのは、ポータブルスキルだと思うのでこれはこれで難易度は高いけれど良いのではないかと思います。
まとめ:フリーランスエンジニアになるとどうなるのか?
フリーランスエンジニアのガチメリット
・自由に働くことができる
・スキルに比例して、高収入になる
・欲しいスキルが選べる
といった、メリットがある一方で
フリーランスエンジニアのガチデメリット
・スキルが低いとさほど旨味はない
・税金がすごい
・楽して稼げるので甘えると堕落する
こんなデメリットもあるので、理解した上で独立しましょう!
特に週3でゆるく働いたり、特定のスキルだけで働いたりする場合にはフリーランスエンジニアが一番向いていると思います。個別相談はLINEで受け付けております。