業務委託の税込・税抜という消費税にまつわる基礎知識

業務委託の消費税
目次

個人事業主で業務委託をする時の(税込)とは?

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税務署で開業届を出し、個人事業主としてお仕事させてもらうときは、はじめに秘密保持契約と業務委託契約の2つの契約を結ぶのが一般的です。この業務委託契約に稼働時間160時間〜180時間で80万円(税込)とかが記載されています。これが個人事業主の売上になるわけですね。

(税込)って具体的に何税かというと、消費税10%のことです。

この消費税が1989年に導入されてから3%→5%→8%→10%となり、無視できない金額になりました。 

消費税とは
消費税は、商品やサービスを受けるときに商品等の代金に8%(国税6.3%、地方税1.7%)を追加して消費者が支払います。 消費税を受け取った事業者は、受け取った消費税から経費にかかった消費税を差し引きして、原則としてその差額を納付します。(注)現在8%の消費税率は、平成31年10月1日からは10%(国税7.8%、地方税2.2%)に引き上げられる予定です。

消費税の計算方法 | やさしい税の話 | 一般の方へ | 東京税理士会 | 公式サイト

消費税が10%の今、税込か税抜で契約するかで天と地ほどの差!

月80万(税込)=727,273円+消費税 72,727円

月80万(税抜)=800,000円+消費税 80,000円=月88万円(税込)

その差月8万円!

商談の席で月単価80万円で握ったとしても、

税金が外か中かで月8万×12ヶ月=96万円の差になります!

※ちゃんと税込で握りましょう

とはいえ、普通の個人事業主は消費税を収めなくても良いので、この後消費税納付の条件について説明していきます。

消費税が徴収されるのは売上1000万超えた年から2年後

消費税には免税措置があって、ざっくりいうと売上1000万未満の個人事業主は免税だけど客先への請求は税込で良いよっていう国税庁のお達しがあります。

No.6501 納税義務の免除|国税庁

基準期間の課税売上高が1,000万円以下の場合には、納税義務が免除されます

個人事業者の場合の基準期間・・・その年の前々年

法人事業者の場合の基準期間・・・その事業年度の前々事業年度

消費税の計算方法 | やさしい税の話 | 一般の方へ | 東京税理士会 | 公式サイト

整理すると2015年度に売上1000万を超えた確定申告を出すと、2017年の確定申告の時は売上1000万なくても消費税を払う義務が生じますので注意が必要です。

もっと細かい消費税免除事業者判定のフローチャート
消費税のフローチャート

消費税の納税を免除される「免税事業者」とは? – 経営ハッカー | 「経営 × テクノロジー」の最先端を切り拓くメディア

消費税は控除の余地が一切ない税金なので課税売上1000万だと100万も!!!支払う必要があり、基本的にはこの1000万以内に収めるか消費税の支払いを回避するのがベスト戦略だと思われます。

この消費税の支払いを回避する方法とは・・・?

法人成りすれば一旦リセットされて売上1000万超えた年から2年後

個人事業主から法人設立をすれば個人事業主として廃業したことになるので、消費税の支払いを2年先送りにできます。売上1000万を超えれば各種税金(所得税・健康保険税・住民税)の負担も大きくなっているので、税メリットもある法人化するのがベストですねー。

なので、MAX4年間は消費税を払わなくてもよい猶予期間が与えられているので有効に使いましょう!

フリーランスITエンジニアの場合だと、法人成りしてもそれほど旨味はないので消費税対策として1000万以下で調節しながら仕事していくのがベストだとは思います。具体的なスキームは次の章でご紹介。

税金を考慮した僕の個人事業主経営戦略

さきほどは課税売上を単純に1社で見ていましたが、こちらの提案は所得分散して課税売上が1000万以下になるように調整しましょう!という提案です。

まずフリーランスのITエンジニアになるとWeb開発の客先常駐や、受託開発などが本業としてすぐに売上1000万を超えてくるはずです。とはいえ、体は1つなので急に売上が2倍になったりはしない性質があります。

売上1000万を超えると2つの選択肢があります

  1. 単価を上げて稼働時間を減らす
  2. 2種類以上の仕事を受ける

1の場合はシンプルに売上を1000万以下に調節しながら、余った可処分時間を最大限に活用していく戦略で、趣味に使ってもいいし起業準備に使ってもいい好きに使える時間が手に入ります。

2の場合はまず法人(合同会社)を作ります。Web開発の仕事は個人事業主で受けて、ついでにやってるVPoEとか技術顧問は法人(合同会社)で受注します。とにかく本業じゃない仕事を法人で受けることで所得の分散を図り売上1000万ルールを回避します。

また2の場合は法人で受ける仕事の金額が低いほど、社会保険料が低くなるという税メリットもついてきます。なぜかというと、日本は国民皆保険制度で個人事業主だと国民健康保険と国民年金に強制加入されます。しかもだいたい満額食らうので2018年は77万円の年間支払になります・・・!むごい・・・!

合同会社を設立した場合は社会保険に強制加入となるため、国民健康保険を脱退して社会保険に入ります。すると合同会社の売上が200万しかなくて個人事業主が900万の場合は社会保険料が55万となり(しかも扶養やら厚生年金も込で)、法人の維持費用を合算しても最大72万円にしかなりません。法人の方でちゃんと経費を計上していた場合はもっと負担は小さくなります。

こういう細かいシミュレーションは確定申告持って税理士に相談してみるのが一番手っ取り早いです。僕はベンチャーライフで合同会社作って運用しています。

起業・開業後の税理士はベンチャーライフ

少し本筋からそれましたが、法人成りするよりかは個人事業+法人で仕事内容で所得分散するのが個人的なベスト節税ではないでしょうか。

まとめ

  • 業務委託料を握るときは税込でしっかり握ること。
  • 消費税は課税売上1000万を超えてから2年後に支払う義務が発生し、法人成りすればリセットされるので最長4年は先送りができる。
  • フリーランスITエンジニアだったら個人事業+法人の仕事のしかたが個人的におすすめ。
業務委託の消費税

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