フリーランスITエンジニアの年収・手取り・税金まとめ【図解】

目次

フリーランスITエンジニアの平均年収

エージェント全44社で平均年収を公開している所を調べてみました。

レバテックフリーランス 801万円!

ギークスジョブズ 780万円以上!

エンジニアファクトリー 月76万円=912万円!

ハイパフォーマーITエンジニア 960万円以上!

大変高給なのが分かります。

実際に僕はこれ以上に頂いていますので嘘ではない本当の話です。

フリーランスITエンジニアの独立から3年目までの収支公開

日本の一般的な平均年収

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平成29年分民間給与実態統計調査結果について|国税庁

平成29年の民間給与実態統計によると平均年収は432万円で、平均年齢は43歳でした。業種別に見ると、いわゆるIT系の情報通信業は少しだけ高くて598万円だそうです。

業種区分平均給与対前年伸び率
 千円
建設業4,9394.4
製造業5,0743
卸売業,小売業3,7322.6
宿泊業,飲食サービス業2,5287.9
金融業・保険業6,147▲ 1.8
不動産業,物品賃貸業4,179▲ 5.3
電気・ガス・
熱供給・水道業
7,468▲ 2.9
運輸業,郵便業4,3172.2
情報通信業5,9864.1
医療,福祉3,9942.8
学術研究,専門・技術サービス業,教育,学習支援業5,1011.5
複合サービス事業4,3663.5
サービス業3,4782
農林水産・鉱業3,25910.7
(業種平均)4,3222.5

世間一般よりITエンジニアやってると少しだけ給与が良いけど、金融やインフラに比べると給与が良いわけではないっていうのが正直な所でしょうか?

次に比較するのが、本題の正社員エンジニアとフリーランスエンジニアどっちが儲かるのか?ということです。 

正社員ITエンジニアの平均年収はフリーランスよりも低い

経済産業省の日米でのITエンジニアの年収比較を参考にすると、日本のIT人材全体では以下のようになっています。平均年収で見れば一般的な職種と遜色ないレベルの収入であることがわかります。

20代:413万円

30代:526万円

40代:646万円

50代:754万円

最大値はCxOの人だと思いますが、だいたい1000万以下ですね。

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IT関連産業の給与等に関する 実態調査結果 – 経済産業省

情報通信業界の平均年収が598万円だったので、平均年齢的にも30代くらいだし業界の数字を反映できているような気がします。こんな人材市場で、20代でも1000万を稼げるのがフリーランスITエンジニアなのですが、理由はかんたんでとにかく即戦力の人手不足!人が足りないから普通は正社員の方が給与が高騰するはずなんですが、ITエンジニアはポータブルスキルと言って、会社が変わっても全然働ける特殊な職種・職業なので、比較的採用しやすいフリーランスが先に高騰しているのです。

チャンスです!

さっそく、フリーランスITエンジニアになった時の平均的な所得や税金について図解していきます。

フリーランスITエンジニアの平均所得(手取り)

フリーランスITエンジニア=個人事業主の場合は経費と所得控除で手取り額は大きく異なってきます。フリーランスになると売上は720万〜900万くらいになるので結構現実的な数字だと思って見てください。

30歳・独身・売上900万・経費200万の場合

一般的なフリーランスITエンジニアはこの辺、5年目〜10年目

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毎月75万入ってきて約20%の15万円ほど税金が出ていき、可処分所得は約58万円の家計になります。独身だったら飲み歩き放題だったり、タワマンで月20万の部屋借りてもなんとか暮らしていけるレベルになります。

派遣エンジニアは一刻も早く搾取されるのを辞めて独立するべき

売上900万・経費200万で年収700万以上は日本人口の約11.8%で、20代だと1%以下になっちゃいます。

30歳・独身・売上720万・経費200万の場合

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月単価60万円だと税負担はさらに小さく16%ほどで約10万ほど税金が出ていき、可処分所得は約49万円の家計になります。20代だったらかなり裕福な生活が送れるんじゃないでしょうか。

リモートワークで単価少し低いけど、地方でのびのびみたいな家計にはいいかな。

在宅リモートで働けるフリーランスエンジニア向けエージェントおすすめランキング

30歳・売上900万・経費200万・持家の場合

都心の長期優良住宅で新築マンションを購入してローン残高が5000万以上ある2LDKを購入していたとすると、住宅ローン減税が50万円/年になるので以下のようになります。

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フリーランスエンジニアは家を買って所得税を圧縮することができる

※青色申告で計算しています。

※所得控除は基礎控除と社会保険料控除だけで計算しています。

※実際には可処分所得から別途16.6万円/月が経費として事業用に利用されます。

フリーランスITエンジニアの税金

フリーランス=個人事業主の税金は3種類あります。

  1. 所得税
  2. 住民税
  3. 国民健康保険税

所得(手取り)のところでチラっと出てきましたが、だいたい売上の15%〜20%が税金になります。

個人事業税も払わないといけないみたいなことが個人事業主のサイトだとありますが、客先常駐でフリーランスITエンジニアをやる場合は個人事業税を払う必要はありません。

所得税の計算式

課税所得金額 × 所得税率 - 控除額 = 年間所得税額

課税所得金額に応じて税率がぐんぐん上がる累進課税になっています。

課税所得金額税率控除額
195万円以下5%0円
195万円を超え 330万円以下10%97,500円
330万円を超え 695万円以下20%427,500円
695万円を超え 900万円以下23%636,000円
900万円を超え 1,800万円以下33%1,536,000円
1,800万円を超え 4,000万円以下40%2,796,000円
4,000万円超45%4,796,000円

グラフにするとこうなっています。

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グラフで見る所得税(税額と実際の所得税率) Ver.2 最高税率45%対応版 | 手帳.net

所得税は課税所得を小さくするためには経費をたくさん使う必要があり、とはいえ無駄なものを買っても意味は無いので、エンジニアだとより生産性が上がるツールやカンファレンスなどへの参加へは惜しみなく出費していくと良いかと思います。

住民税の計算式

住民税 = (所得金額 - 所得控除額)× 10%

住民税は控除がややこしいので独身で年収別に概算住民税をリストアップしてみました。大手エージェントの平均値で見ると40万円〜50万円くらいの住民税が見込まれます。納付は6月に納付書が届いて一括か4分割で納付する必要があります。

年収所得住民税額
600万円400万円26万円
700万円500万円35万円
800万円600万円43万円
900万円700万円53万円
1000万円800万円62万円
1100万円900万円71万円
1200万円1000万円81万円

国民健康保険税の計算式

国民健康保険税 = 所得 × 所得割額 + 均等割額

所得は売上から経費を引いた額で、これに所得割額(9.5% ~ 10%都道府県によって若干差異あり)を掛けます。均等割額は世帯の人数に応じて計算されますが、だいたいのフリーランスエンジニアの人は独身で若い設定で計算してみました。

所得割の計算テーブル

所得割計算式シミュレーション
①医療分基準額×7.32%5,670,000円×7.32%=415,044円
②支援金分基準額×2.22%5,670,000円×2.22%=125,874円
③介護分

40~64歳の方のみ

基準額×1.68%

0円
④合計①+②+③415,044円+125,874円+0円=540,918円

※健康保険は基礎控除33万円あるので所得600万円から強制的に引いてます。

均等割の計算テーブル

均等割計算式シミュレーション
⑤医療分加入者数×39,000円1名×39,000円=39,000円
⑥支援金分加入者数×12,000円1名×12,000円=12,000円
⑦介護分40~64歳の加入者数×15,600円0名×15,600円=0円
⑧合計⑤+⑥+⑦39,000円+12,000円+0円=51,000円

これらを最後に足して590,918円が売上900万・経費200万くらいのフリーランスエンジニアの代表的な国民健康保険税です。

フリーランスITエンジニアの年収別の月手取りや税金

これまで平均的な年収・手取り・税金などを見てきましたが、週3でリモートワークだけして年収300万などの働き方もあるので、各年収別の収支について図解していこうと思います。

年収300万の場合

月25万の契約で年間経費50万に設定

月売上25.0
所得税0.5
住民税1.1
健康保険税1.6
国民年金1.3
可処分所得20.5
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週2リモートで月25万円といえば全然あります。セブ島でバカンスや語学留学を楽しみながら働くようなゆるい働き方ですが、税金は少ないので可処分所得は20.5万円もあります。住居費が3割だとすると、6万円くらいなのでギリ田舎や東南アジアでは十分成立するかもしれません。

年収400万の場合

月33万円の契約で経費75万円に設定

月売上33.3
所得税0.8
住民税1.6
健康保険税2.2
国民年金1.3
可処分所得27.4
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月30万くらいだと週2日〜3日くらいです。フリーランスで収入よりも可処分時間を増やしたい人にはいい感じのバランスが取れる収入ではないでしょうか?月27.4万円を生活費にして、残りの可処分時間(週4日〜5日)を使って起業準備をしたり自分のWebサービスを作ったり好きなことに時間を使うことができます。

20代〜30代の平均年収くらいだったらフリーランスになると週2〜3日で実現できます。派遣でこき使われてるくらいだったら独立してしまったほうが良いです!

派遣エンジニアは一刻も早く搾取されるのを辞めて独立するべき

年収500万の場合

月42万円の契約で経費75万円に設定

月売上42.0
所得税1.5
住民税2.4
健康保険税3.0
国民年金1.3
可処分所得33.9
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売上500万円くらいになってくるとSIerで働いていた人でも給与がトントンになってくるイメージです。ただ、フリーランスの場合は月たった42万円の契約なのでフルタイムではなく週3〜週4くらいですね。未経験OKとか学校卒業したての人だと月40万の契約はあるかもしれません。

年収600万の場合

月50万の契約で経費100万/年に設定

月売上50.0
所得税2.2
住民税2.9
健康保険税3.6
国民年金1.3
可処分所得40.0
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月単価50万円といえばフルタイムのフリーランスITエンジニアの最下限レベルの収入です。これ以下はまずないといっても過言ではないです。その場合でも可処分所得は税率がそれほど高くないので月40万程手元に残ります

派遣エンジニアの場合は仲介会社をはさむごとに10%〜20%搾取されているので、月40万ももらえることはないのではないでしょうか?商流が違うというだけで搾取されずに手残りが増えるのが今のフリーランスエンジニアの案件紹介サービスなので、是非登録して相談することをオススメします。

派遣エンジニアは一刻も早く搾取されるのを辞めて独立するべき

年収700万の場合

月58万の契約で経費100万/年に設定

月売上58.3
所得税3.7
住民税3.7
健康保険税4.4
国民年金1.3
可処分所得45.3
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ついに可処分所得の割合が80%を切りました!ここから稼げば稼ぐほど税金でむしり取られていくゾーンになります。年収700万なので日系企業だと大手優良企業ほどの好待遇ですが、フリーランスの場合は普通にコード書けてテストできるジュニアプログラマーレベルで達成可能な契約金額です。正社員と違って残業もなく(残業があれば超過請求するので)ゆとりある生活が送れますね。

年収800万の場合

月66万の契約で経費180万円/年で設定

月売上66.6
所得税4.0
住民税3.8
健康保険税4.5
国民年金1.3
可処分所得53.0
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各社フリーランスエージェントの平均年収に一番近いモデルです。会社員だったころに比べると格段に収入が上がっていることが分かります。税負担の合計は148万円で国民健康保険が一番高いです。20代後半から30代前半で一般的に実現できる年収なので、同世代のなかではかなり高給取りなのは間違いありません。

ふるさと納税の2000円負担の上限が10万円ちょっとなので10万円を目処にふるさと納税ができます。

フリーランスITエンジニアはふるさと納税しまらないと損だよ!

年収900万の場合

月75万の契約で経費200万円/年で設定

月売上75.0
所得税5.2
住民税4.4
健康保険税5.1
国民年金1.3
可処分所得59.0
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各社フリーランスエージェントの公表している平均年収よりも少し高いモデルですが、ごく一般的な契約金額です。どこかのベンチャーでWebフルスタックエンジニアをやっていた人や、PMOとしての経験もあるエンジニアだとごくごく一般的な契約金額です。税負担の合計は176万円で、売上が100万円増えても税金で28万円も取られており、そろそろ税金と売上を天秤にかけはじめます。

年収1000万の場合

月83万の契約で経費220万/年で設定

月売上83.3
所得税6.4
住民税5.0
健康保険税5.7
国民年金1.3
可処分所得64.8
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売上1000万を超えた年から2年目以降は消費税がかかるので、法人に切り替えることをおすすめします。法人に切り替えればさらに2年間の所得税の納付が免除されます。(1000万×8%=80万のキャッシュアウトなのでかなり大きいです)

逆に個人事業主のままで居たいので消費税が適用されない1000万円以下を維持すると言う人もいます。

年収1100万の場合

月91万の契約で経費240万円/年で設定

月売上91.6
所得税7.8
住民税5.7
健康保険税5.8
国民年金1.3
可処分所得71.0
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月単価91万円ともなるとフリーランスITエンジニアの中ではTOP10%くらいに入るんじゃないでしょうか?税金合計230万も払うことになりますが、手元に残るお金を減らしても良いのであれば人を雇えるレベルの売上になります。ちなみにこれくらいの所得があると約7000万円の住宅ローンが組めます。

法人化の検討か、時間あたり単価を上げて可処分時間を増やすなり対応が必要になってきます。サブ事業を法人化して、そっちで社会保険を適用し国民健康保険と国民年金を圧縮することも選択肢のうちの1つですね。

年収1200万の場合

月100万の契約で経費260万円/年で設定

月売上100.0
所得税9.2
住民税6.3
健康保険税6.0
国民年金1.3
可処分所得77.2
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月単価100万で年収1200万になると税金だけで約258万も払うので、確定申告の後の所得税の納付で100万の大台に乗るのが苦痛になってきますね!とはいえ月次でみると77万円も可処分所得があり、色んな事業投資もできますしお金もたまってウハウハです。

税額が大きいので、ふるさと納税したり、IDeCoを活用したり、住宅ローン減税などあらゆる節税プランを考え始めることでしょう・・・。

フリーランスエンジニアは家を買って所得税を圧縮することができる

フリーランスITエンジニアはふるさと納税しまらないと損だよ!

フリーランスエンジニアでスペックがある程度高ければ月100万での契約というのはさほど難しくはありません。マネジメントスキルもあるエンジニアであれば余裕で達成できるのでエージェントに独立を相談してみましょう。

現役フリーランスエンジニアが教える!システムエンジニアの独立方法まとめ


まとめ

フリーランスとして独立することで多様な働き方(年収300万で週2、年収1000万でフルコミット)が出来るようになり、確実に言えるのは会社員SEや派遣SEを続けるよりかは年収が上がって可処分所得と可処分時間が増えるメリットがあります。現状の給与に満足していなくて、なんとなくフリーランスは不安だと思っていた人は、これで実際の収支が明確になったと思うので、はやくエージェントに登録して相談してみてどんな案件でスキルが求められているのか体験してみるのが一番ですね!

初心者におすすめの大手フリーランスエージェントはこの3社です。

色々相談に乗ってくれますし、何より案件数が多いのでマッチング精度が高いです。

ほかにも全社調べたランキング記事があるので目を通してみてください

【2018年】平均年収が高いフリーランスエンジニアのエージェントランキング

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【2018年】フリーランスエンジニアエージェント登録者数ランキング

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