フリーランスエンジニアエージェントの裏側■発注から採用するまで、単価の上げ方

フリーランスエンジニアエージェントの裏側■発注から採用するまで、単価の上げ方

この記事でわかること
・採用企業側の考え方がわかる
・単価の上げ方がわかる

書いてる人
フリーランスエンジニアやって、今はCTOで採用もやってるのでフリーランスエージェントを多数利用しています。

目次

フリーランスを採用する企業側の考え

企業側のニーズは2つで、即戦力エンジニアの採用ボリュームです。

エンジニアは常に辞めていきますし、成長フェーズでは常にエンジニアリソースが足りません。その一方で、エンジニアの採用難易度が高く正社員での雇用は年収の30%課金(ビズリーチだと15%だけど半年85万取られるので即戦力の調達がかなり難しい状況があります。

そこでフリーランスエンジニアであれば、3ヶ月更新で合わなければ更新しないというリスク管理ができるため、かなり採用ハードルが下がって、しかも手数料が18%で済むのでトータルでみた採用コストがかなり抑えられます。

参考:ビズリーチの価格表

なので、スキルと普通にコミュニケーションに問題がなければ採用されます。

問題は単価をどうやって上げていくか。

エージェントを通したフリーランス採用までの流れ

この流れをだいたい1週間〜2週間くらいでやります。

  1. エージェントの問い合わせフォームから連絡
  2. 企業側の営業担当から求人ヒアリングを受ける
  3. 適当に登録している人を何人か提案してもらう
  4. 良さそうだったら商談のアポとる
  5. 1時間商談する
  6. 採用 or 不採用

たった1時間の商談で企業側が見てることは、ほぼスキルチェックです。

欲しいスキルが過去の経歴にあれば楽ですし、単価も上げやすくなります。

自分ができることと、自分がやりたいこと、企業が求めていることを合わせることをイメージして案件をやっていくと簡単に単価は上がります。

エージェントの新規登録者数は月150~300人

まず、フリーランスエンジニアが知っておくべきなのは、各エージェントの新規フリーランス登録数は大手でも150人〜300人くらいでかなりの取り合いです。登録すると提案がぽんぽん来て翌日商談で即決採用が普通にあります。

シニアエンジニアは希少種で高単価

取り合いになってるのはシニアエンジニアで、一通りできる人はだいたいどこでもオファーが出ます。シニアでWebフルスタックやPM・テックリードなどの人は絶滅危惧種くらいいないし、企業側は欲しいので高いお金を払ってでも採用したくなります。

シニアだと単価95万〜120万(年1140〜1440万)くらいで契約できます。

職務経歴書は会社名書いたほうがわかりやすい

採用側の視点だと職務経歴書を盛ってないをチェックしないといけないので、具体的に社名とプロダクト出して、どの部分を作ったとか動くものを見せたりしてもらえるとすごい助かります。

あとは、プロジェクトへの関わり方が大事で、採用側はリードしてもらうかメンバーになるかは要件があるので、プロジェクトごとにリードやってた場合は明確に言うと刺さります。

「xxxプロジェクトの認証と決済のモジュールをリードとして担当して、アーキテクチャからリリースまでの全行程を他2名のメンバーと4ヶ月で実施しました。」的な感じだと単価が爆上がりします。

商談の流れと単価交渉

商談はだいたい企業側が会社とプロダクトの説明して、フリーランスが職務経歴書を説明して質疑応答みたいな流れになります。

その中で、どうやって高単価を通すかはマーケティングの発想が必要ですね。

自分というプロダクトの市場価値が高い訴求ポイントを整理して、企業側のニーズを把握した上で刺しに行くのが基本戦略です。

単価を上げる大きなポイントは3つ

  1. 自分のスキルスタックの専門性と希少性
  2. コミュニケーションおよびマネジメントスキル
  3. 稼働時間などのコミットメント

1.は普通にスキル上げろっていう話なんですが、希少性を盛り込んでいます。意外と特定業界に絞って転職している人や、多職種をやったことがあるエンジニアは希少性が高く、単価として評価される可能性があります。

2.はプロダクト開発はチーム開発がメインになるので、リーダー経験やマネジメント経験があるというのは受け入れ企業側にとって安心材料ですし、管理工数の削減になるので高単価になります。

3.は成長フェーズの企業に置いて、プロダクト開発でやることは死ぬほどあるので、稼働時間が長ければ長いほどよく、リモートじゃなくて対面の方がよいという軸です。とくにプロダクトが未熟なほど対面でのコミュニケーションで、速度を上げていく必要をマネジメントサイドとして感じます。

より具体的な話をすると・・・

事業フェーズごとにだいたい違っていて

①シリーズA調達直後

資金調達後のスタートアップは次のラウンドに行くまでに達成すべきことがたくさんあります。人を闇雲に増やしても生産性が上がらないことはよく知っているので、少数精鋭のシニアエンジニアを取りたいニーズがあります。また、エンジニア個人のやりたいことよりも事業成長にコミットしているので、特には作ったものを消すことになったり、完璧じゃないものをリリースして改善していく開発が発生します。

こういうステージの企業だと、普通にシニアでリーダー経験がある+週5常駐のフルコミットだと月90〜100万で契約できます。特にバリューがあるのは週5常駐などのコミットメントの高さが評価されます。

②上場前のベンチャー企業

上場前のベンチャー企業だと、PMF(=プロダクト・マーケット・フィット)も完了していて単月黒字化が出来ているような状況になります。その中では新規事業に正社員と業務委託をミックスしたチーム組成や、既存プロダクトに業務委託を入れてエンジニアリソースを固くしていきたいニーズがあります。

新規事業チームであればシリーズA調達後と似たような人たちが需要が大きく、既存プロダクトの場合は安定している人が求められます。流行りのテクノロジーにノーロジックで飛びついたりした経験をドヤ顔で言わないような人がバリューが高いです。

③上場後の企業

上場後は事業がスケールしているので、エンジニアリソースが安定的に必要になっていて、ボリュームとしてエンジニアを採用しています。なので、ある程度ジュニアなエンジニアだけどカルチャーマッチしているとか、SIerからWebにコンバートした人材も採用範囲になります。良く言えば余力があるので、即戦力だから高単価というロジックがなかなか通らず、エキスパートやエンジニアx他のスキルが高単価になりがちです。

エンジニア+PMとか、AIエンジニアとか、特定の言語が長いとか、営業からエンジニアに転職してフリーランスとか、自分のスキルスタックに希少価値がありそうだったら上場企業の業務委託ポジションで高単価が目指せます。

基本的に途中で金額を上げるのは人間関係もあって面倒なので、最初に上げておくのが吉です。

参画後に単価を上げる方法

例えば月70万で契約している場合に、エージェントは18%手数料取っているので実質82.6万円になっています。だいたいキャップは90万か100万なので、76万は更新の3ヶ月後にちゃんとパフォーマンス出てれば上げれます。

パフォーマンスがすごい出まくっている場合は、もっと強気で85万までは上げられます。それ以上は他のフリーランスを採る代替手段の方がメリットが出てくるのでなかなか難しいと思います。

1年とか2年のスパンでシステムの生き字引みたいになってくると、システムを人質にして高い単価は取れるので、長く参画して単価を徐々に上げていくことはできます。

単価は参画前に上げておくに限ります。

まとめ

企業側のニーズはプロダクトチームに早くエンジニアが欲しいか、大量にエンジニアがほしいかの2種類ある。またプロダクトのフェーズ(シード、シリーズA、上場後)で細かいニーズは異なってくるので、自分のスキルセットや働き方と相談して魅せ方を工夫する。参画後よりも参画前に単価を上げてしまうほうが(人間関係的に)楽なので、自分のスキルスタック、やりたいこと、企業のニーズを重ね合わせるように案件獲得するのがベター。

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